台高山脈縦走(高見山〜馬ノ鞍峰)
以前からチャンスがあったら台高山脈を縦走してみたいと思っていた。
幸いそのチャンスが巡ってきた。毎年ネット仲間「百孤」で春の円遊会がある。GWを利用して高見峠から明神平まで歩き夜は宴会、翌朝解散してして夫々の場所に分散して下りるという計画案が決る。
三つの分散型が出来た。@大又林道へ下山A桧塚から千秋林道へ下山B池小屋山から馬ノ鞍峰まで縦走し三ノ公へ下山。
勿論、私はそのBに参加したのは云うまでもない。
その日が近づいてくるにつれ天気予報が、GWの2日が曇り3日〜4日にかけ天気下り気味で降水確率40〜90%になっていく、と報じていた。
さて、その結末はどうなったであろうか〜?
山 名】 台高山脈 ←周辺地図
【日 時】 
2004年5月2日〜5日(日)
【登山方法】テント縦走
【メンバー】RINさん、どんかっちょ!さん、森の音
【天候及びコースタイム】 
5月2日(日) 曇り 霧
大峠(11:20)−南タワ(12:40)−ハッピノタワ(12:55)−ハンシ山(13:30)−
伊勢辻(14:05)−伊勢辻山(14:23)−馬駈ケ辻(15:00)−国見山(15:40)−
水無山(16:10)−明神平(16:30)
5月3日(月) 曇り のち 晴れ
明神平(6:35)−明神岳(7:05)−笹ケ峰(7:33)−(8:15)千石山(8:35)−水場(8:45)
−(10:00)赤クラ山(10:10)−千里峰(10:30)−奥ノ平峰(10:53)−霧降山(11:00)
−(11:35)池木屋山(12:10)−(12:40)ホウキガ峰(12:45)−(14:10)弥次平峰手前
(14:20)−(14:40)弥次平峰(14:47)−(15:25)霧の平手前1km−霧の平(16:10)
5月4日(火) 晴れ のち 雨
霧の平(6:35)−(7:35)馬の鞍手前按部(7:40)−(8:00)馬の鞍峰(8:15)−(8:45)地
図上?マーク−(9:03)カクシ谷下りきった箇所(9:13)−行宮跡(9:26)−(10:05)
明神滝(10:20)−(10:50)三の公駐車場(11:00)=(12:20)大峠=たかすみ温泉
(13:15)       (このタイム記録はRINさんより拝借)

画像クリックで拡大

また、拡大された地図の中に実際の写真も
組込みました。
5月2日(日) 高見峠〜明神平(約14.6キロ)
今回夫々分散型なので、下山後の足の確保の為に目的地に車デポしてまた出発地点の高見峠(大峠)まで帰って来るまで男衆は少し時間がかかった。
当日朝、高見山周辺はガスと強風が吹き荒れ、かなり気温も低かった。更に天候が悪くなるような・・・。待つ事約1時間30分、この間退屈と寒さで女性達はかなりモチベーションが下がったようだ。男衆がこの峠に戻ってきた時、既に大きく心境の変化があったようだ?
「今回の計画を中止して和佐又ヒュッテで温かい環境の元で宴会しようよ〜」と。
でも、既に一人がデポ地の千秋林道から明神平目指して登り始めている。縦走組も万全の対策と準備に自信を持っているから全然モチは下がっていなかった。
こうして今回の円遊会は、@和佐又ヒュッテにテン場を変える組み8名A明神平でテン泊し翌日下山組み3名とそのまま縦走組み3名の合計14名が分散して夫々楽しくGWを過ごす事になった。勿論誰一人変更した事に対する文句もなければ寧ろ温かい目で送り出せたのは、ネット仲間とは云え気心知れた者同志の集まりであったからである。(^^)
かくして、縦走隊3名と一蓮托生隊?2名(途中で先発1名と合流)、の5名が和佐又宴会隊の8名に熱烈な見送りを受けて出発ッ〜!!
ガスと強風に寒い、さむ〜い! 縦走隊と一蓮托生隊 和佐又宴会隊
11時20分大峠から歩きはじめて暫く樹林帯の中だったので、視界の悪さも寒さも全然気にならなかった。寧ろ今回天気予報が外れる、いや絶対外れると確信に近い気持ちが強かった。それでも万一二日目の明神平の朝の状態が土砂降りだったら千秋林道へ一緒に下ると決めていた。
途中樹林帯の中で昼食後、ハッピノタワを過ぎ、ガスの切れ目に伊勢辻山が見え出す頃から天気も回復してきたようだ。よし!これで天気は今日は大丈夫!!
14:05伊勢辻到着。その20分後伊勢辻山(1290m)を過ぎた頃より視界も大きく開け目の前に赤ゾレ山、国見山、水無山の勇姿が見えてきた。一応赤ゾレ山(1300m)のピークを踏み、下るとそこに小さな池があった。広い草原のような雰囲気の中、どんかっちょ!さんの歩く目の前に15センチ程の鹿の角を発見。「こりゃ〜良いものを見つかった。大事に持ちかえろう」角の生え返りかな?
伊勢辻 手前から赤ゾレ、国見、水無山 草原の池に沿って国見山へ
国見山の手前、馬駈ヶ辻に差し掛かった処で何と千秋林道から木梶山経由の郭公さんとドンピシャ!合流。偶然にも珍しい現象だった。これで6人の明神平宴会組が合体。ワイワイガヤガヤ、国見山(1419m)への登りに汗をかく。国見山から下ってまた水無山(1441m)への登り返し。結構疲れるな〜。水無山の山頂は何もない。あるのは標識だけ。
後は、明神平に直行だ。16:30着。今日の明神平には約10張りのテントがあった。我々はその一番奥の静かな場所にテント設置。腐葉土の上で最高な場所。水場も近い。さあ〜今から宴会だ〜(^-^)
馬駈ヶ辻にて6名が揃う 国見山山頂 テントで宴会の始まり〜(^-^)
5月3日(月) 明神平〜霧ノ平(約21キロ)
昨夜8時過ぎで宴会を切り上げる。と言うのは二日目の行程が長丁場で痩せ尾根続きの結構スリリングな場所も多いから、出来るだけ睡眠をとるようにと心掛けたからだ。でも朝の天気の状態で行くか又は下山するか判断しようと縦走隊3名で決めていた。でもここでも私の楽観的な希望は捨てていなかった。天気予報によれば雨の確立高いらしい。が、例え90%だろうと残りの10%に希望を託せば良い。真夜中木についた雫がテントをたたく音はすれど雨音はしなかった。
かくて、5時前に小鳥のさえずりに目が醒めテントから外の様子を伺ったが確かに雨はなかった。幾分濃い霧に包まれた深い森の朝の様子だった。よし!行けるぞ!!
他のテントからも目覚めの音が聞こえてきた。朝食をたっぷり摂りテント撤収。
6時30分過ぎ、全員一緒に明神平を出発する。静かな清々しい明神平の景色であった。
明神岳まで一緒に行動し、そこから桧塚奥峰から千秋林道に下山する3名とお互いの健闘を祈り別れる。
これから、我々3名の縦走が始まる。
痩せ尾根と根株が張り出した狭い縦走路を慎重に進む。朝露に濡れた岩や株が滑りやすく、万が一滑り落ちたら大怪我では済まない場所だけに、急がず一つ一つゆっくりと。進路を間違わないようにGPSと地図とで現在地を確認する。
笹ヶ峰、千石山と進むにつれガスも張れ、遠くまで視界が開け、空も青空が広がってきた。相変わらずアップダウンの激しい痩せお根の連続だ。赤倉山に近づくにつれ色鮮やかなアケボノツツジ、シャクナゲ、ヤマツツジの花が随所に我々を歓迎するかのように出現しだしてきた。
朝の明神平出発 明神岳で桧塚方面の3名と別れ 痩せ尾根が続く
赤倉山(1394m)を過ぎ、千里峰(1340m)のところで完全に天気は回復し、遠く東に迷岳やら西に白髭岳の綺麗な姿を確認。
大台ケ原から縦走してきた他のグループと挨拶代りに軽い冗談まで出る始末。「我々はモーゼ(十戒の)のようですわ〜?歩く進路が何故かガスが晴れ、青空と太陽が出てくるんです?だから今日の天気は夜まで大丈夫??」「それじゃ〜我々の下山まで頼むわ〜。但し天地を裂かんといてや〜(^-^) 」
ここから池小屋山(1395.9m)までの登りが結構長かった。12時10分池小屋山到着。ここは宮の谷や東尾根から迷岳へ、大黒尾根から馬ノ鞍への分岐点。ここで昼食。この手前の湿地帯に小屋池が僅かに残っていた。

食後、すぐ出発。ここからRINさんもどんかっちょ!さんも未知の世界。道は荒れ不明瞭な個所多し。ホウキガ峰から弥次平峰まで大黒尾根が続く。痩せ尾根に根株が張り出し歩きづらい。左側がスパッと切れ落ち、かなりスリリングな場所が続く。
ホウキガ峰を過ぎ次のP1258で右側に下って行くのだが、うかっとして左側の尾根に下らないよう注意が必要。
GPSで位置と方向確認をしながら進むので間違わず。深い谷間に入るとさすがGPSも受信状態が悪くなり不能の地点も発生。
やっとこさ弥次平峰到着。14:47分。これでもかこれでもかという程のアップダウンの繰り返しで些か疲れも出てきた。あと少し(3.1キロ)で今日の宿泊地の霧ノ平に着く。しかし又3つ程のコブを乗り越えなくてはならない。
かつて経験者のDOPPOさんが「長いで〜!慌てずゆっくりゆっくり行くのがコツ」と教わっていた。成る程と思う。
16:10分、霧ノ平到着。フウ〜やっと着いた!静寂の森の中に二張り出来そうな良い場所だ。ここも腐葉土の上に設置できるから温かそうだ。さて水場は・・・あっ、木に小さな標識掛かっていたよ。
あれ?沢に水がない。困った!それじゃ〜もっと下流に下りていこう。20m下った沢の分岐の右側で突然RINさんの大声が。何とそこには岩清水から滴るように水が流れ、飲んでみると最高に美味かった。これこそ極上の味とはこの事だ!\(^O^)/
ペットボトルに入れた水には全く不純物らしきもが浮いていない透き通った輝きがあった。
突然ガスが晴れ青空が・・・(拡大) 至る所でアケボノツツジの歓迎が 滴る岩清水の極上の味
5月4日(火) 霧ノ平〜三ノ公 (約10キロ)
昨夜もまた暖かくて雨が降らなかった。どうなってるの〜?嬉しいやら気味が悪いやら。何せ天気予報によれば降水確率70〜90%という。まさにホンマかいな〜??である。今日は下山日。ある程度雨は覚悟していた。が又しても清々しい朝を迎えた。
いずれにせよ下山するまで緊張感を持たないと、とんでもない所で怪我をする。お互い声に出して気を引き締めた。
相変わらず馬ノ鞍まで痩せ尾根が続く。もし雨が降ったら滑って危ないな〜と思う個所もあり。幸い半袖で歩くほど晴れていた(^-^)   時間もたっぷりあるからゆっくり行動した。約1時間30分で馬ノ鞍峰(1177.8m)に到着。

ここでRINさんと、どんかっちょ!さんが台高山脈が繋がった。完全踏破達成だ!おめでとう〜\(^O^)/パチパチ
私はまた次回チャンスを見てここから大台ケ原まで繋げよう〜。
馬ノ鞍峰から三ノ公までひたすら下りのみ。急な斜面をジグザクに下りながら行宮跡まで。ここから比較的道も整備されているが、急峻な谷に沿って道が作られているから真下を見ると高度感もある。
途中、明神滝に寄る。登山道から100m下る。落差40mの垂直の壁から落ちる滝は一見の価値あり。
三ノ公駐車場についたのは11:00だった。
朝の霧ノ平出発の様子 馬ノ鞍鞍部から見た白髭岳(拡大) シャクナゲの花(拡大) 明神滝
三ノ公駐車場にデポした車で早速高見山大峠にデポした車回収。このように2台の車を配備したお蔭で快適に今回の台高山脈縦走の山旅を終了する事ができたのも、百孤の皆様のサポートがあったから出来た事。本当に有難うございましたm(__)m
同行して頂いたRINさん、どんかっちょ!さん、ありがとうございますm(__)m

帰りにたかすみ温泉に入浴後、一路大阪に帰宅する道中で大雨に遭遇。何もかもがラッキーなGWでした\(^O^)/
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