(ぎょうじゃがえりだけ)行者還岳1546m           

大峰山脈北部、大普賢岳と弥山との間に位置し、尾根歩きでは周辺の山々を望みながら奥駆道の緑豊かな味わいを満喫させてくれる素晴らしいコースであった。
また、大普賢岳、弥山と比べれば少し低山だが、行者還小屋から見上げる南壁の鋭さは、役ノ行者をギョとさせたかも??
今回、大川口から少し行者還トンネルに向かって700mの所に登り口がある天川辻を直登。行者還岳をピストンしたのちトンネル西口分岐まで南下し、右手の西斜面を急下降して行者還トンネル西口に下山。ただ駐車した車回収に林道をテクテク大川口まで歩いて50分、結構疲れたな〜。


ルートマップ
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行者還小屋と行者還岳
日時:2007年9月23日(日)
場所:行者還岳(大峰山脈)
メンバー:単独
天候:晴れ
      
連休を挟んで時間が取れたので、久し振りに大峰に日帰り登山を計画。
自宅から現地まで約100キロ、R309号線を走る事約2時間30分、到着が8時30分となった。
309号は国道とは名ばかり、天川川合を過ぎると狭い渓谷沿いを走り、車1台がギリギリの箇所多し。
景色は素晴らしいが運転に緊張する。ミタライ渓谷もある。
当初、大川口から尾根を登り、行者還岳をピストンし、奥駆道を南下して奥駈道出合からトンネル西口に下山の予定だった。勿論GPSにセットし現地で使用のつもり。
ところが大川口の駐車スペースが先着車もあり狭そうだった。よってトンネル西口に向かって700m上に駐車スペースがあった。
目の前に吊橋がありここは天川辻コースと一目で分かった。地図には点線で記載。よしルートを変えよう!
吊橋を渡ったところに標識もあり。小坪谷から左の支流に分かれた谷筋ルートだった。

吊橋を振返る。車はその先左に駐車 吊橋を渡ったら標識がある。但し後は全てテープが頼り

水がないのでテープを頼りに沢沿いのごろ石堆積を乗越えていくのだ。慎重にテープを探して進んだつもりだったが、1時間位のところで見失ってしまう。GPSにはそのコースをセットしてないので役に立たない。地図から地形図を読みながら進路を探していく。誰もいないので自分が頼り。
時折ドングリの落下音や急斜面の谷筋なので色んな音が聞こえてくる。人の声のようにも聞こえるが、耳を澄ますと何もない。谷筋なので薄暗い。早く尾根に着きたいが全然見通し立たず。
益々平坦な所が少なく立っているだけで精一杯。写真を撮る余裕もなかった。
しかし、意外と冷静で恐怖感はなかった。過去に何度か同じような経験もあったので、ともかく慎重に登る事に専念。また上に登れば何とかなるだろうという安心感もあった。
やっと標高1187mのところで、GPSの当初の予定コースもキャッチ。地図上では右に進めば行けるかも知れないが、敢えてこの場は確実なGPSのコースに合流するため左の急斜面をよじ登る。
やっと合流した時、安堵感と初めて休憩を1本取った。約1時間30分掛かった事になる。
前方には弥山の山並み、後方には行者還岳が顔を現した。尾根筋まで後少し。

前方に弥山(1819m)の山並み 後方頭上に行者還岳が聳える

ここから行者還小屋まで道はしっかりついており、当初に選択していれば楽々だったかも。
でも、無事終わってみれば、緊張感もまた楽しかった〜(^^)
小屋に着いたのが11時15分、2時間10分の所要だった。誰もいなかった。
小屋は無人だが5〜6前に綺麗に新築され、部屋も3部屋と炊事場も完備されていた。誰も汚さず大事に使われている様子が伺えられる。冬季も大事に利用されている証だろう。
小屋から行者還岳まで奥駈道を北に進み、途中で南に登り返す。これが行者還の由来とか?
ゆっくり歩いて30分、狭まったガレ場に木の階段もあり。道はしっかりしていた。
山頂は展望がないが、南側に行けば弥山の山容が望める。
ここで昼食。誰もいない山頂を独占。静かなひと時であった。

行者還小屋 高低差のある木の階段
ここが分岐。左上が行者還岳、左下が行者還小屋、弥山。
右が大普賢岳、山上ヶ岳方面
行者還岳山頂

山頂で約40分の休憩。その間誰も来ず。さあ〜今から奥駈道を南に下って下山しよう〜。
やっと4人の登山客に会った。多分私が今から下山しようとする西口トンネルから登って来たものと
推測される。木の梯子下(20m)のガレ場で登山客が小休止していた。真上から見ると極めて危険な場所で休んでいた。と言うのが、もし落石すれば、必ずその場所を通過するのが明らかに想定される。(その場所が高低差20mの痩せガレ場のため、危険防止のため梯子をかけたと想像される)
直撃すれば大惨事だ。慎重に落石せぬように下る。そしてその若者に注意する。彼もすぐその場所が危険地帯という事を察知してくれた。そこには湧き水のホースがあり、一息入れたくなるのも理解できる。しかし、そんな場所に設置する関係者の方も配慮が足り無さ過ぎると思った。
行者還小屋から南に下る奥駈道の尾根歩きは素晴らしい。左を見れば大普賢のゴツゴツした峰が見えるし、右を見れば鉄山から弥山に繋がる尾根が。ヒメシャラの木々やトリガブト、他花々が咲く尾根道が続く。

左に大普賢を見ながら このような尾根道が続く(奥駈道)
荒々しい風雪に倒木も多数 右を見れば鉄山のコブから弥山に繋がる尾根

約1時間、長閑な尾根歩きが続く。当初、これより30分先の奥駈道出合から下山するつもりだった。
しかし、トンネル西口分岐に着いたとき、男女二人連れから道を尋ねられる。ここを下山すれば、西口トンネルまで行けますか?道はどうなんでしょう?実は私も初めての道。地図には点線だが、尾根筋を下ればショートカット。そんなに難しい道ではないと思いますと返事。では私もここから下りますと云ってしまった。
どうせならショートカットも面白いし、奥駈道出合からの下山は何回か歩いているのでつまらない。
二人連れは今友達を待っているので、どうぞお先に行ってください、と言われた。
地図には点線だが、意外としっかり道がついていた。テープもしっかり。尾根筋をまっすぐ下れば迷う事が少ない。いずれその内地図には実線となるだろう。約40分でトンネル西口に降りられた。15時丁度。
秋にはアケボノツツジ、シャクナゲの花で楽しめそうな尾根筋だった。

トンネル西口分岐 行者還トンネル西口に下山

行者還トンネル西口は、多くの車で一杯だった。殆どが弥山、八経ヶ岳に登った人達だろう。こちらで出会った人は数えるばかり。それだけにある意味で、静かな山の魅力を満喫できた。
後は、車回収のため小坪谷入口吊橋付近に置いた場所まで歩かねばならぬ。
ひょっとして乗せてくれる人がいるかもしれないという淡い期待も抱いていた・・・・。
が、そんな殊勝な人は誰もいなかった(^ ^ゞ  まあこの際、ゆっくり山の景色でも楽しみながら歩こう。
今までここは殆ど車で往復した場所なので、ある意味で違った新鮮味もあった。しかし、歩く事約50分歩き応えは充分すぎた(^ ^ゞ ポリポリ
今日は一日充実した1日だった。また久し振りの山だったので少し筋肉痛も味わった(^^)

小坪谷に沿って景色を見ながら車道歩き 後方に行者還岳の尾根が。あそこを登ったのだな〜!

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