台北観光

二泊三日の短い台北観光。偶然にも中華民国建国100年記念行事が10日に控え、その間隙をぬって観光してきたような感じだった。
予想はしていたが、台北の発展はすざましかった。IT関連に象徴されるような台湾一の高さを誇る101ビルに上りその実感を感じてきた。
日本人に対してとても友好的で、皆親切であった。その昔、日本が50年間台湾を統治していた時代の名残かお年寄りは日本語を話せる人が多いとか。地下鉄に乗っても静かに乗り、若者のファッション性も高かった。子供達への教育熱も高く、夫婦共稼ぎで孫の面倒はお年寄りが見る典型的な大家族制。そのため家族の外食が主流で、お母さんは余り炊事はしないらしい。だから外食産業(屋台)が発達し、真夜中まで賑わっている夜市がある。所謂夜型人間が多いとか。また同じ中国人でありながら中国本土の中国人が嫌いで、やたら騒がしくおまけに自己中の人間が多いと思っているからだ。
だから中国共産党に束縛されるのが厭で、今回中華民国建国100年記念祭が中国本土でもこちらの台湾でも同時に行った経緯がある。因みに台湾の政権与党は国民党。過去に中国共産党と国民党との間に深い確執があったからだ。以上これらの情報は現地ガイドからのニュースソースでした。
        101ビルの夕景 (ビル展望台展示写真より転写)
旅行日程:平成23年10月7日(金)〜9日(日)
スケジュール
 10月7日:関空19:00〜台北20:55(時差-1時間、飛行約3時間)
       ホテル到着後、MRT(淡水線)に乗って士林観光夜市で中華料理。
 10月8日:終日市内観光
        
●保安宮・・●孔子廟・・●総統府・・●中正紀念堂・・●忠烈祠・・●故宮博物院
        ★夜は別のオプションにて、地元で人気店(鼎泰豐)で小籠包を食べ尽くす。
          そして台北101の見学
 10月9日:台北発12:10〜関空着15:50


出発当日、10月7日   関空から台北へ
19時のフライトに乗り、約3時間で台北に着く。満席だった。搭乗者は皆日本人かと思いきや台湾人も多かった。今や国との境も短くなり、国内旅行感覚となった。
台北に着いて、現地迎えの案内人の車で一路ホテルに直行。ホテルは台北駅前のシーザーパークホテルを取っていた。と云うのが、電車のアクセスに便利なので夜でも観光できる。早速MRTに乗って士林観光夜市で中華料理を試食しに行く。台北駅地下街に降り、地下鉄の案内板が「淡水線」を示す赤いラインに従って進んで行くと切符売り場に着いた。まるで日本国内と同じような感覚だった。行き先の駅「劍潭」駅まで20元。まず最初にその料金20元を押してからコインもしくは札を入れる。すると青色の丸い樹脂板が一枚出てくる。お釣りは横の返金口より。改札口でその青い札を○印に当てれば開く。降りる時は穴の中に入れると開く。至って簡単だ。最近の日本の自動切符売り場の方がややこしい。電車内は結構混雑していたが、皆静かに乗っている。騒ぐ人間や、変な若者は一人もいない。これは、日本統治時代の名残か、徴兵制が1年間義務ずけられているので、真面目な若者に矯正されるのかもしれない。ファッションも日本と変わらず、インターネットの発展で格差が無くなった。

士林観光夜市は朝方まで営業されているという。結構賑わっていた。沢山の店が並び、そこにテーブルとイスが並んでいる。少し蒸し暑かった(多分24℃くらい)ので風の通る通路側の店でタン麺を試食した。味は美味しかった。もっと奥に行けば衣料品など安く売られているらしいが、夜も11時を過ぎ、少し疲れが出てきたので、ホテルに帰る事にした。(因みにWRTの最終は24時)
MRT淡水線乗場へ 券売機 士林観光夜市 小籠包入りタン麺


翌2日目、10月8日         台北市内終日観光及びTAIPEI101ビル

朝、7時頃にホテルの朝食バイキング行った。二階だったが、その時偶々3階のドアが開いた時、中国人専用の朝食会場らしく、真っ赤な飾り付けを付けた一種独特な雰囲気の部屋だった。どうも中国人とその他の国とを区別していたのだろう。我々もその方が良かった。兎角中国人のマナーの悪さには閉口した事があったからだ。今まで観光した国々で何度も経験している。ところが、台湾人はかなり違うと思う。マナーも良く、皆親切だった。並ぶ文化と公衆では静かにするマナーが定着しているからだろう。
8時10分にツアー会社派遣の現地案内人が迎えにきた。他のホテルを経由して、総勢15名程になった。勿論各ツアー会社の相乗のため、北海道から九州の人達もいた。明日は中華民国建国100年祭、その1日前なので観光も支障はなさそうだ。
宿泊ホテル前の台北駅
 
大龍胴保安宮
孔子廟の隣にある廟で、医学の神様である保生大帝を祀った廟で、正殿の四方を回廊が取り囲み、重厚かつ華麗なたたづまいであった。屋根は見事な流線型の二重ひさしで、二頭の龍で美しい彫刻が施されていた。多くの市民が子宝・安産祈願、商売繁盛、身体健康等などで訪れ、真剣に祈っていた。本殿入口祭壇上に花や食べ物を供え、線香など無料となっていた。お御籤も二枚の木型を放り投げ、その表裏の組み合わせで決まる。旧暦3月15日の保生大帝誕生祭は台北三大祭りのひとつとなっている。
正面入り口 入口祭壇に飾られた多くの花束 本殿 拝殿


孔子廟
保安宮の隣が孔子廟で、1400坪の宮殿様式の廟。ラッキーにも第1〜4土曜の9:00から30分間、いにしえの衣装ををまとった人々により礼器や楽器を用いた祭典が行われていた。誠に厳かな音楽と祭礼であった。学問の神様として参拝する人も多く、受験シーズンには沢山の人々で一杯になる。
孔子廟大成殿 30分間祭礼の儀式が行われる


総統府
台北の総統府がおかれている赤レンガの建物で、通常は平日の午前中のみ1階部分のみ見学できるが、今回は建国100年祭の式典で、車窓からのみになった。誠に残念だが、ある意味で貴重な体験ともなった。昔の日本統治時代の建物で、バロック様式5階建てで、中央の塔は天皇の権威を象徴するものであったが、日本降伏後は中国国民党政府が大陸より移り、内部改造され現在の総統府として再利用されている。

【台北共同】台湾は10日、台北中心部の総統府前で、孫文が1911年の辛亥革命で清朝を倒し、建国した中華民国の「建国100年」に際し軍事パレードなどの祝賀行事を実施、馬英九総統は演説で、中国に対し、民主国家の建設を目指すよう呼び掛けた。台湾での軍事パレードは4年ぶりで馬政権では初めて。  中国の胡錦濤国家主席が9日、北京での辛亥革命… (ネットより転載)  尚、生憎この日は日本への帰国途上でした。
総統府前の式典会場 会場裏に総統府が見える 10日、台北の総統府前を
パレードする台湾軍の
装甲車(ロイター通信)


中正紀念堂
ここは、かって台湾を治めた中国国民党政府の故蒋介石総統を記念して建てられた建築物である。内部には巨大な蒋介石の座像が置かれていて、毎正時には像の前で衛兵の交代と入退場の儀式が行われている。びっくりしたのが、彼らは儀式の時以外は微動だにせず瞬きもせず、まるで人形のようだった。これも訓練された証とか。広大な面積を誇る中正公園内にあった。
大孝門より見た正面階段上の建物 正面に蒋介石総統像 瞬きや微動だにせず立つ衛兵 広大な敷地の中正公園


忠烈祠
ここは、抗日戦争や中国共産党軍内戦によって国民党政府のため戦死した約33万の中華民国将兵の霊を祀るために建立された廟。美しい色彩の中国宮殿式の建物が本殿で、北京の故宮の太和殿を模して建てられたという。ここも正時ごとに正門の交代式があり、一糸乱れぬ行進は観光客の被写体となっていた。
正門より奥に本殿 ゆっくりと一糸乱れぬ行進 故宮の太和殿を模した本殿


故宮博物院
中国の歴代皇帝が収集した約62万点のコレクションを収蔵。但し全部でなく3000〜4000点を展示し、展示品は不定期に替わる。
世界4大博物館の一つに数えられており、明・清代の皇帝が暮らした北京の故宮(紫禁城)にあった宝物。それが何故台北にあるのか?
そもそも中国最後の王朝、清が倒された時、それら膨大な財宝は中華民国政府が受継いだが、やがて日本軍の中国侵略が激化したので、財宝を南京や大陸奥地に分散して保管した。その後日本の敗戦によって南京に戻ったが、共産党との内戦に敗れた国民党政権が台湾への撤退時に運び込んだのだ。その後、国立故宮博物院として再公開されたのが1965年になってからである。
写真撮影は全面的に禁止され、後に資料パンフレットやガイド本で再確認する。兎に角素晴らしいもの多数あり、全然時間が足りなかった。
うっそうとした木立の中に建つ故宮博物院


夕食と台北101ビル
上記ツアーは日本でインターネットより申し込み、ホテル巡回で迎えのガイドが来た。ツアー参加者は12名程だった。その食事とは、台北で有名な人気店(鼎泰豊)で小籠包((しょうろんぽう)を食べる内容だ。個人で行くと1〜2時間待たされるとか。ガイドブックにも書かれていた。成程店前は大勢の人が待っていた。我々は予約なので待ち時間なし。実際食べてみて、確かに最初の2〜3品は美味かったが全部で7品目あり。小籠包は豚の挽肉を薄い小麦粉の皮で包んで蒸龍蒸しした包子である。中身は夫々違うが、数を食べるよって段々単調な味に厭いてきた。最後のあんこ入り小籠包にはウェ〜だった。
その後、台北101ビルに移動。高さ508mで、89〜91階が展望台。その世界最高速エレベーターは我が日本の三菱電機製だ。展望台382mまで僅か38秒という速さ。生憎天気が悪く、夜景は足元だけしか見えず。この台北101付近は近代的なビジネス街になっていた。
店の前で順番待ちの客 最初出される店のお勧め えび入り小籠包
ビルの真下から見上げる 花火大会(展示写真より転写) 夕景(展示写真より転写)
近代的な内部 最速エレベーター乗場 展望台からの夜景


翌3日目、10月9日  帰国日

慌ただしく短い旅だったが、台北のさわりの部分だけ見学してきただけ。出来れば次回は台中、台南まで足を延し、色んな所を見たいものだ。
台湾は日本との関わり合いも深く、現在では友好関係も築いているだけに、日本への観光客や働きに来る若者も多い。帰りの飛行機もまた台湾人も多かった。日本人と見間違える程良く似ている。読んでる新聞を見て、その違いを知った程だった。


ホームに戻る