2006 KOBE 六甲全山縦走大会 ボランティア体験記

今年も23日の大会にボランティアとして参加させていただいた。今年は参加しようかどうか迷ったものの、大会自体が多くの方のご尽力によって支えられていることがよく分かっているだけに、結果として申し込んだ次第である。
10月初旬に採用通知が届いた。昨年と同様、最後尾前半(須磨浦から菊水山CP)を担当することになった。経験者を優先的に配置する対策を採っているのか分らないが、翌日は早朝より勤務が控えているので好都合だった。
例年通り、10月中旬に2回の業務説明会を受講した。1回目は救急法講習会である。赤十字から講師を派遣していただき、2時間程度の簡単な応急処置の講義を受けた。講師は毎年お世話になっているSさんだった。厳しさの中にも愛情を感じさせる人間的魅力を感じる方だ。応急処置には三角巾を使う。頭から腕、足へと自在に対応する様に感心させられる。巻き上げた後は真結びで仕上げる。解け難く解き易い相矛盾する性格を持つ結びだ。処置の中でも、足首を捻挫した際の固定方法が特に使う場面が多いように感じた。
2回目は担当する業務の説明会である。担当ごとに分かれて資料に沿った説明を受けた。相方と対面、昨年ご一緒したMさんだった。私の後を歩くスイーパー(青鬼)も昨年と同様Tさんがご担当、心強い限りだ。
昨年同様思ったことだが、これらの業務説明会は平日の夜に2回に分けて行われる。ボランティアには、経験に関らず、参加を義務付けられている。主催者側は若手の参加を特に求めているが、学業や勤務に就いている若手には参加しづらい条件に感じた。
この点、嬉しいことだが、今年は同じ山仲間のKさんとNさんがボランティアに参加してくれた。共に練習会からご一緒し、昨年は共に本番で完走の喜びを分ち合った仲間だ。Kさんは掬星台からの徒歩班、Nさんは凌雲台でコース誘導を担当された。
前年と同様、前日に神戸入りし明日に備える。天気予報では荒天を伝えていたので、厳しい縦走になると覚悟をした。風呂に入り早めに就寝する。
4時半に起床、洗面の後、十分に朝食を取る。身支度を整え、5時半にホテルを出た。雨は降っていない。天気が保つことを祈る。45分過ぎの始発の特急に乗車、ちらほらと参加者の姿が見られた。須磨で乗り換えた普通はほとんど参加者だった。6時10分ごろに到着。既に長い行列は無くスムーズにチェックを受けて出発していく。テントで名前を告げ、支給品を受領し身につけた。程なく相方のMさん、スイーパーのTさんも到着。今年はMさんが遅刻せず何よりだ。
6時半に、今日、全縦に参加するmiyatyanが到着するので、待つことにした。青いジャージにピンクのザックと教えてもらっていたのですぐに分った。出発に際し、恒例のバンダナショットを撮ってもらった。全縦以上の過酷なイベントの完走経験もあるmiyatyanなので、完走は問題ないと感じていたが、全縦初参加ということもあり、とにかく無事の完走を祈った。渋滞に遭ったものの21時台に無事に完走された。何よりである。
沖の神戸空港の誘導灯が光っている。予想していたが、生憎の曇り空で須磨浦でのご来光は拝めず残念だった。
7時になり出発した。鉢伏山をゆっくりと登り、参加者と加藤文太郎について話しながら高倉台へと向かう。旗振山の眺望を楽しみつつ予定通りに高倉台に到着。体調不良でリタイアを申出た参加者の手続をした。
前年の経験からも、アルプス手前で渋滞が予想されたので早々に出発する。栂尾山の階段は空いていた。以外にもアルプス手前ではスムーズに流れていた。鎖場の鎖が掴みやすいように整備されていた。渋滞緩和を狙ったものであろう。いい配慮だと思った。馬の背手前の岩場で凝ったカメラを取出した参加者がいた。海の方向へ向けシャッターを切っている。切立った岩場に紅葉した木々が映え、バックには海が控えている。美しさに圧倒された。写真を撮れなかったのが残念。アルプスを越えたところの段差の大きい箇所で少し渋滞していた。東山を過ぎ横尾団地へと入る。若干名を追越したが今年はほぼ最後尾を歩いていた。
程なく妙法寺へ到着した。トイレ休憩で結構な数の参加者がいた。数分の時間調整の後に出発。小学校前の信号で救急法講習会でお世話になったSさんがコース誘導に立たれていた。光る赤鬼の面を使う後半担当の赤鬼さんの話をして盛り上がる。いよいよ高取山の登りだ。ゆっくりと静かに登る。途中バテ気味の参加者がいた。厚着が原因と思われたので衣服調整をアドバイスした。渋滞も無く程なく山頂へ。昨年見た井戸知事への応援メッセージが、今年は張り出されていなかった。山頂の茶店の女将さんにバナナを勧められるが、ビールならと言って断る(でも、そんな厚かましい事とてもできません)。市民トイレ付近でも多くの参加者が休憩していた。数人から記念撮影を求められた。参加者と話しながら鷹取橋へと下る。
登り返して程なく鵯越駅に着いた。10人くらいの参加者からリタイアの申出でがあった。若い子ばかりだ。完走認定証引換券を切離し、場所と時間を書きこむ。てるさんの敗退記の参加証を思い出した。この参加証を見て来年のリベンジにして下さいと激励した。冷えてきたので、暖かい紅茶を買い、歩きながら飲んだ。ホッとする。
菊水山へと向かう。登山口に入る手前の橋の上で外国人のカップルのハイカーが談笑していた。11時35分に登山口に到着。ここまで時間通りに来れた。5分ほど時間調整した後に出発。急登と言われる菊水山だが、ゆっくりと行くので大した負担は無かった。プラスチック階段を過ぎたところで少々渋滞してきた。前にバテ気味の参加者がいた。道が狭いものだから後の者が追越せない。暑そうだったので衣服調整をアドバイスする体で横に寄ってもらった。10分前に頂上手前に到着。登ってくる参加者を励ます。数分前にCP手前へ。参加者を確認する。登ってくる参加者がいたのでまだ大丈夫と声をかける。時間になったので最後の参加者の後ろにぴったりと付きながらCPへ。赤鬼よりも先に着いた最後の参加者だ。
時間通りに到着。中半の赤鬼さんへ引継ぎ、業務を終えた。スタッフの皆さんは慌しく撤収作業に入る。閑散とする頂上に寂しさが漂う。青鬼役のTさんと鈴蘭台へと下山した。

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