ぐー 
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2012年六甲全縦敗退記

今年は時間に間に合わずガーデンテラスでリタイアしました。

参加証を取りにいった時点が気合いMAX。

いつもは気合いれて参加していた練習に全く参加できず、とうとう当日までモチベーションが上がりませんでした。

本番数日前の紅葉の美しい日に鵯越〜宝塚を歩いたし、もう満足してしまっていたところもありました。わざわざ雨で人が渋滞する日に歩く意味がわからなくなっていました。

参加するかどうかも全く白紙でした。でも応援してくれる人達がいる。前夜に参加を決意しました。

 

 朝は家から始発で出発、610須磨浦公園駅着、いつもは待つことなくスムーズに通れたスタート地点、雨のためか行列が。630スタート、鉢伏山で異常な汗だくになり、雨も上がりかけていたので合羽を脱いでスパッツをはきました。ここできっとラストあたりを歩くことになったと思います。再び歩き始めた頃、もうぽつりぽつりとしか人がいませんでした。そしてことごとく、どの山でも渋滞がおこりました。渋滞することは体験済みなので、イライラすることはありませんでしたが、どちらかというと諦めの気持ちになっていました。

 

菊水山1220着、自分の時計では2分まわっていましたがスタンプは押してもらえました。こんな時間になってしまって、応援で待っていてくれる人が大変、どうにかせねば…でも身体は重く登りがつらい。長い長〜い渋滞でもそれをみんな静かに待っていました。以前は少し幅のある道なら、速い人が追い越していったけど、最近はそういうこともなく渋滞はどんどん長くなっているようでした。ひとりで歩いていたので、前後を歩いている人の会話をきいてたりしていました。楽しい会話を勝手に聞きながら、やっぱり仲間と歩くのはいいなとか、関西じゃない人も多いなと思いました。六甲全縦は全国的になってきたのかな。

 

ところどころで渋滞が緩和されて通れる状態になっても、例年のように人を抜いていく意欲も体力もなく黙々と歩き続けました。えらい時間になってしまった…とおそるおそる大龍寺のカーブを曲がると例年のように囲炉裏のバンダナが見えました。

Pさんとあおいさんが、赤鬼が通るまではとにかく待っていようと寒い中、最後尾の私をずっと待っていてくれました。温かいものや果物をいただいて、口に頬張りながらほんの一瞬で立ち去ってしまいました。ありがとうございました。本当に失礼しました。とにかく時間ぎりぎり。

 

もうこの時点で掬星台のポイントは時間制限で間に合わないと思っていたので、ゆっくりしたいという気持ちとの間で揺れ動いていましたが、遠くから応援にかけつけてくださるというつばめさんがもう掬星台についておられるだろう…、とにかく掬星台までは行こうと決めました。

 

 大龍寺から市ヶ原までの紅葉が素晴らしく綺麗でした。

麻耶の登りをこんなにキツいと思ったのは初めてでした。学校林道までが長く長く感じました。下りや平らな、練習時にはみんな小走りで行くような道ですら、登りと同じペースで歩いている人がほとんどで追い越すことも一苦労でした。もうポイントの制限時間に間に合うかどうかという時、麻耶山でまさかの大渋滞…こんなことは初めてでした。さすがにぐったりしました。後ろでひとりで歩いていた人も「もう間に合わない」「もう間に合わないぃ…」とうわ言のように言っていてちょっと怖かったです。でも自分も最後の登りで声を掛けられ、「あ!濱やん」「あ!つばめさん」と心の中で思ったのに全く余裕なく、すごいコワい形相のまま、「もう間に合わへん…」とかなんとか言いながら、そのまま挨拶もせずに素通りしていってしまいました。たぶんあの時は限界だったかも。後で考えると情けないやら、申し訳ないやら。ほんとうに申し訳ありませんでした。

 

 掬星台でも制限時間数分過ぎていましたが、スタンプがもらえました。

ヤマトさん、ゆっこさんがたくさんの温かい食べ物といなりずしや果物、コーヒーでもてなしてくださって、こんなにしてもらって私ここでリタイヤしたら罰があたるよな、と思いました。

それで再び歩き始めたのですが、もう掬星台には誰もいなくて、私がきっと最後尾の参加者だったと思います。掬星台を出ようとしたら係りの男性が驚いて、次のポイントまでに赤鬼に追いつかなかったら諦めて、と言いました。

 掬星台を出たのは16時をまわっていたので本当なら歩いたらいけなかったのでしょうけど、この日は渋滞で遅くなってまだ元気だった人が多かったのか、止められることはありませんでした。すでに薄暗くなりはじめ、心細くはありましたが、たくさん栄養補給して、応援をもらったので今日最高の元気で掬星台を出発。小走りすることもできました。

 

 行けるところまで行こう。でもどこかで最終ポイントに間に合うつもりでいました。歩きながら時間見積りを1時間も間違えていることに気づき愕然としました。郵便局あたりの店の前で「まだ歩いてる人おるな、今ここ歩いてたらゴールは無理やな」と話している人がいました。わかってるけど、どこで止めたらいいのかわからないでいました。記念碑台の横断歩道のボランティアの女性に「もう下りるとこなくなってきますよね、止めようかな」と言ってみたら、「まだ歩けるなら頑張って」と笑顔で言われ、そのまま続行。

まわりにはほとんど誰もいないし、すでに真っ暗、新調したばかりの明るめのヘッ電をつけてはいたものの、ライトがあたっている部分以外は道の先がどうなっているかわからず、夜はいつも歩いている道とは全く違った場所に見えます。

雨で道はドロドロ、、、木々は風でうなる、さびしいよぉぉぉ〜〜

しばらく行くと前を歩いている人がいたので「風、すごいですね」と声をかけたら「そうですね」と答えてくれて、背が高いので男性だと思っていたら、きれいな女の人でした。一緒には歩かなかったけど、心の底からホッとして、彼女と前後しながら、ガーデンテラスまで行き着きました。

少し先を歩いていたその女性がボランティアの係りの女性にリタイアを申し出ていて、この時すでに18時直前。バス停はここが最後だったので私もその場で85%くらいの心でリタイアを決めました。まだ15%ほどは歩く気持ちがありました。

 

宝塚では掬星台で応援してくださった方々と高やんも来てくれているのを知っていてのリタイヤ。やってしまったなぁと思いましたが、このままもし仮に最終地点を無理やり通過してもゴールは終電より遅くなると思い、宝塚で待っているヤマトさんに連絡をいれてバスを待ちました。ガーデンテラスは紅葉を見に来ている人たちがたくさんバスを待っていて満員でした。その満員のバスは今まで自分が歩いてきたルートをまたバス道で戻る、どうしようもなく切なかったです。六甲ケーブル駅まで戻り、真っ暗で寒い中、ケーブルで下り、また六甲駅までバスに乗る。リタイアすると下るのに時間もかかるし、お金もかかるな〜とシミジミ思いました。

 

結果は惨たんたるもの。4回すでに完歩している自分に完歩できないかもしれないという危惧は恥ずかしながら全くありませんでした。

渋滞していてもどうにかなると思っていたし、登りがこんなにきついなんて思いもしませんでした。リタイアする人は、足がつってしまったり、膝を痛めたり、身体が思うようにならなくて泣く泣く…という人が多いように思いますが、私の脚は丈夫でした。

 

 練習不足で当日まで出るかどうか決められずテンションが下がったままだったことが今回の失敗の最大の原因です。ユースホステルの予約を入れていない私にkeyさんはテントの貸し出しまで申し出てくださいました。それを家から出ると決めた時点で今回の失敗は始まっていたのだと思います。体調不良であっても、練習を頑張っていたならきっと早くスタートしようと思ったはずです。

 毎年どんどん悪化する渋滞に巻き込まれたのも自分が決めたことです。

でも6時以降に出発した人がゴールしにくくなるほどの渋滞はなんとかならないかと思います。

 

 応援にきてくださった方々には申し訳なかったです。本当にありがとうございました。

一日中ひとりで歩いていると仲間に応援されることがどれほど力になるか、よくわかります。

数年たって、練習もしっかりできて気力も充実していたら、また再び挑戦するかもしれません。自分の中で慣れて全縦を甘く見ていた部分もあったと思います。

 それでも今はこの失敗の全縦も経験してよかったなと思います。

完歩できず恥ずかしく、また応援の方々には申し訳なかったのですが、今日一日は精一杯で歩いたので、気持ちが落ち込むことはありませんでした。

 

 とにかく練習は大事だと身に沁みました。