中国 桂林 山水の旅

子供の頃より掛け軸に描かれた水墨画の世界が好きだった。あの幽玄の世界、奇岩・奇峰が織成す幻想的な雰囲気の中に東屋がポッリ、水面に小船がゆったりと浮かぶ風情は、別世界のように感じていた。本当にこんな世界があるのだろうか?子供心に抱いていた不思議な空間。その本場の中国・桂林に行ってきた。「百聞は一見に如かず」成る程と痛く感動するに充分な値打ちがあった。

この景観は、三億年前に地殻変動により海底が隆起して出来上がったものらしい。今日本では原発反対運動が盛んに行われている。如何に安全と言われてもこの地球上では何時何処に自然災害が起こるとも限らない。原発事故が発生したら取返しがつかない。たとえ電力が不足しても、我慢して昔に返れば良い。住まいを奪われたら堪らない。

無粋にもこんな絶景を目の当たりに見て、そう感じられずにはいられなかった。桂林にはその他見所も多かった。今回は有意義な観光旅行であった。

漓江下り

日程 2012年 7月13日〜16日
コース 7/13 関空10:00発〜広州着13:15(現地時間)/発15:55〜桂林着17:05〜ホテル19:00着  (時差1時間バック) 
7/14 漓江下り9:00〜約4時間(桂林〜陽朔間)〜桂林まで専用バス。 桂林ナイトクルーズ  (同ホテル連泊)
7/15 桂林観光   ◎桂林動物園 ◎鍾乳洞、蘆笛岩 ◎靖江王府 ◎独秀峰  劉三姐少数民族ショー (連泊)
7/16 桂林発12:30〜広州着13:30 昼食挟んで18:30発(1時間遅れ)〜23:00関空着
        ☆ 平均気温:最低25℃ 最高32℃


1日目
関空〜広州乗継〜桂林〜夕食〜ホテルへ
今回広州まで飛行時間約4時間、広州から桂林まで飛行約1時間という欧州路線に比べれば比較的短めだが、乗継の時間的ロスがあり、まる1日乗り物で終わったように感じた。でも疲れは殆どなし。今回のツアー客も少なく少人数であった。
ホテルは五ッ星の桂林シェラトンホテル。ここで連泊するので多分楽になると思った。
広州市は大きな街だ。北京市、上海市に次ぐ中国第三位で人口約1200万と云われる商業都市は今なお世界中のビジネスマンが集まっている。空港もかなりでかい。乗継の移動距離も大変だった。それに比べ桂林市の人口は約70万。ローカルな観光市であった。その観光が主産業だけに力を注いでいるのが良くわかる。でも、上海のように急成長はしていないので、昔の中国というものを色濃く残されていた。サラリーマンの平均給料は約4万円。バイク1台の値段も約4万円。彼らは1カ月分の給料を叩いてまでもバイクを欲しがる。車にはまだまだ高嶺の華だ。原動付自転車や可笑しげな車まで市民権を得て堂々と走っている。信号もあるが、守られていない。横断歩道を渡るのもかなり勇気がいる。ゆっくり堂々と渡るのがコツ。絶対走ったり戻ったりしたら事故の元。そのバイクの数も半端でない。まさにベトナム・ハノイと同じようだった。
広州空港内。世界のメーカーが中国に 桂林空港の外観 宿泊ホテルの桂林シェラトン
ホテル寝室 ホテル前の漓江 昔ながらの漁法


2日目
漓江下り〜船中にて昼食〜陽朔にて下船。陽朔西街観光〜専用バスにて桂林に。夜は桂林ナイトクルーズ
今日のハイライトは何と云っても漓江下り。天気が心配だったが曇りのち晴れの予想。数日前にこの桂林で豪雨のため河川が氾濫したとインターネットで報じていたが、今は落ち着いて普段通りになっていた。9時に乗船。大勢の観光客と船団が待機していた。この桂林市内には至る所に奇岩・奇峰があるが、やはり市内を南北に貫く全長437qの漓江の中でも最も景観が優れているといわれる桂林〜陽策間の83qをのんびり遊覧船で下るのが定番。展望デッキからの眺望は、まさに「奇山秀水」の絶景の連続だ。心ゆくまで山水画を味わう事ができた。3年前、ハノイのハロン湾クルーズに云った時、同じツアー客の人が「桂林の方がもっと良かった」との言葉が心に残っていた。成程、それぞれ地域の特徴もあって比較論はその人の主観的なものであるが、山水画を例えればこれ以上のところはないと思う。乗船は約4時間、見飽きる事なくデッキでいた。
それぞれの奇岩には名前がついており、またサントリーウーロン茶CMもこの箇所で撮影されたとの事。現地中国ガイドはそれを「サントリー」と呼び、写真を撮るよう勧めてくれた。途中昼食は遊覧船内で中華バイキング。席は全席指定なので、席取りの心配は無用。9時に出発した船は丁度13時に陽朔に到着。約4時間はあっという間に終わった。天気も程良い加減で、晴天だと暑くて暑くてとてもデッキに居られないとガイド。今日の気温は32〜33℃と思うが、風があり涼風に思えた。それでも顔が赤く焼けていた。
9時に一斉に出発(竹江碼頭) 浅瀬を水牛の群れが渡っている 左を拡大
蝙蝠山 楊堤 釣り人
サントリーウーロン茶CMの箇所 九馬画山 螺獅山
黄布倒影(20元の裏表紙になる) 実物20元 陽朔に到着


陽朔散策
陽朔は奇岩、奇峰に囲まれた風光明媚な小さな町。「桂林山水の精華が集まる」と称され、カルスト地形の景観の美しさは古くから旅人達の推奨の的となっていた。そこには桃源郷のイメージが重なり、西欧人がバカンスを過ごすエリアとして人気がある。少数民族の村も点在する。
陽朔に船が着いた途端、売込みのおばさんが一斉に我々観光客目当てに売込みを掛けてきた。それはそれは凄いパワーで声を掛けてくる。予めガイドから挑発に乗らないでと警告を受けていたので、無視する。それでもしつこく付きまとわれた。
やっとその場所を離れると、古い民家が軒を並べる西街が続く。ここに来ると今度は暑さでうだりそうだった。民芸品売場の店内で小休止。少しフリータイムを取った。でも暑いので他に行く元気なし。その店の民芸品を安く買いたたき、結構良い掘出物をゲットできた。
値引き合戦は中国の商習慣、半値八掛けを押し通す。相手が駄目と言うたら「じゃ〜いらない」と突き放す。するとある程度妥協してくる。という具合だ。小さな街だが、周辺には見どころ多い。棚田も有名だが、今回そこに行く予定が入っていなかった。
我々は途中で待受ける専用バスに乗って桂林まで。途中掛軸店に寄り道。そこで掛軸をゲット。半値まで値引きさすが、こちらの購入思惑を読まれ、本当に安く買えたかどうか?
陽朔船着き場 西街 刺繍する少女(少数民族の店)
古い建屋 街にも奇岩が点在 タクシーなのか観光客用なのか?


桂林ナイトクルーズ
夜は夜で桂林の楽しみ方がある。桂林には、互いに連なっている4つの湖があり、ナイトクルーズが人気という。OPで水の都を遊覧船に乗った。一人3900円。予想以上素晴らしかった。観光を売りにしているだけあって、その規模もかなり大掛かりなものだ。
夜景の美しさとそこに展開されるイベントが随所に行われ、それが土日限定かどうか定かでないが、大勢の人がそのイベントに係わっていた。それが観光客を一層楽しませるように。乗船時間約1時間、もし行く機会があったらお薦めだ。
杉湖に立つ月下塔(ここから出発)
鵜飼の実演 胡弓の実演 其々の橋がライトアップされている



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